みんな安心の新書
自分自身が求める未来を実現するためには、いまという時間をどう活用するかが重要である。
そのために、なるべく遠くを見据えていなければならないのだ。
つまり、遠い未来について考えるということは、いまと向き合うためには欠かすことができないものなのである。
このときの未来は、夢のためではなく、現実のためにあるわけだから、より具体的な未来像を描くことが求められる。
よって、自分自身を客観視するのはもちろん、周囲の状況についてもよく見渡し、そこから起こり得る事態を予測していかなければならない。
これは、とても難しいことだが、未来を見渡すことで、いますべきことが明確になるように、現実を直視することで未来も見えてくるのだ。
また、将来を見据えるということは、成功イメージを持つこととも言い換えることができる。
成功のイメージを持たない人間に成功が訪れることは、まずあり得ない。
したがって、まずは将来、自分自身が成功している姿をなるべく具体的に思い描いてみることである。
これこそ、成功を手に入れる第一歩である。
そして、イメージができ上がったら、それを通勤電車のなかや、夜ベッドに入る前に、毎日描き続けること。
そうすれば、成功したいという意識が生まれてくる。
その意識があなたの行動を変えていく。
どのような人生を過ごしたいか――。
それは、それぞれ思うところがあるだろう。
しかし、どれだけ具体的に描いているか、というと、暖昧になってしまう人が多いのではないだろうか。
途中で脱サラやセミリタイアをしない限り、すべてのサラリーマンには、必ず定年退職がやってくる。
定年が訪れたときに、サラリーマンとしての人生は終わるが、それは同時に人生の集大成のスタートといえる。
人生の集大成は、最高の状態で迎えたいものである。
もう一度、書く。
みなさん、どのような人生を過ごしたいのか――――。
そのためには、長期的な展望で人生設計を行なう必要がある。
私は、サラリーマン時代に「十五年刻み」で人生を考えるようにしていた。
まず、十歳から二十五歳までは学習期。
二十五歳から四十歳が基盤構築期。
四十歳から五十五歳が充実期。
五十五歳から七十歳が飛躍期。
七十歳から八十五歳は社会貢献期。
もし八十五歳から百歳まで生きられるのなら、それは第二次社会貢献期。
私は一生をこのようにとらえて、将来のビジョンを考えていた。
つまり、私の考える人生論のなかでは、サラリーマンが役職定年を迎える五十五歳を過ぎたあたりから、もっとも飛躍的な時期を迎えるわけである。
「吾、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る」これは孔子の教えだが、彼が生きたのは人生五十年という時代である。
しかし、現在の日本人の平均寿命は、女性が約八十六歳で男性は約七十九歳(二OO四年厚生労働省調べ)であり、人生八十年という時代である。
つまり、孔子の生きた時代に比べると、一・六倍も寿命が伸びていることになる。
そのため、孔子の教えを現代に当てはめるには、一・六倍しなければならない。
そうなると、学を志すのが二十四歳、自立をするのが四十八歳、不惑の精神に達するのが六十四歳、天命を知るのが八十歳ということになる。
会社は自分の人生の一部でしかない。
しかし、多くのサラリーマンを見ていると、残念ながら定年を迎えるころには「もうオレの人生も終わった」などと言い出しはじめる人が大半である。
こうした人は、会社が勝手につくったスケジュールに沿って、人生設計をしているから、このような発言をしてしまうのだ。
また、定年後のことを「第二の人生」という人もいるが、これも同じである。
「第二の人生」というのは、会社を中心に人生を考えているから、出てくる言葉である。
会社は、人生のすべてではない。
会社は人生の一部にしか過ぎない。
会社が決めたスケジュールではなく、自分自身の意志と判断によりライフプランを構築するべきである。
そうしなければ、会社を辞めたあとの人生は無意味なものになってしまう。
人生の成果とは、会社で残した実績ではない。
有意義な人生を送るためには、サラリーマンとして実績を残すことが必要である。
しかし、それを人生の唯一の目的にしてしまうのはよくない。
一生をかけて達成する目標をつくり、それを目指して生き続けることが、有意義な人生である。
また、こうしたライフワークを持つことは生きる活力にもつながる。
二十五歳から四十歳は人生の基盤構築期と書いた。
この時期をどう過ごすかで、その後の人生は大きく変わる。
それは、大きな花を咲かすために、しっかりと土地を耕し、多くの種を蒔く時期である。
この貴重な時期を、何の目標も持たずにただやり過ごしてしまうのは、非常にもったいない。
だから、この時期に人生のライフワークを明確にして、ずっと先の将来を見据えながら、目の前の仕事を全力であたるようにする。
努力をかたちにするには、この姿勢が大事なのだ。
気力、体力ともにもっとも充実しているこの時期に専門性を身につけるなりして足場を固めていくこと。
少しやってみたけど、しっくりこないから、次はこれに挑戦してみようといった、移り気なことはあまりしないことだ。
いろんな不満はあるかもしれないが、まずは、いまの環境でやれるだけのことをやってみることである。
そこで、結果が出ないからといって、別のところへ行っても結果は同じに決まっている。
結果が出ない原因は、環境ではなく自分にあるということを認め、全力を出すこと。
この時期に一生懸命働かずして、いつ働くというのか。
働き始めたばかりの二十代のころは、まだ将来のことを真剣に考える余裕はない。
しかし、三十代になったら、具体的に将来のことを考える必要がある。
この先、自分はどうキャリアを積み、どんな人間になっていきたいのか。
社会人として経験を積んだ三十代だからこそ、できることだ。
仕事のこと、家族のこと、お金のことなど、将来の問題についてはじめて向き合ったとき、大きな不安に襲われるかもしれない。
二十代のうちは、学生時のんき代の延長で暢気なこともいっていられるし、周囲もそれを認めてくれる。
しかし、三十代はそうはいかない。
夢や希望ばかりはいっていられなくなるのだ。
自分の能力の限界にも気がつくはずである。
現実の自分自身をしっかりと見つめ直すことは、自分自身の可能性を否定することでは決してない。
逆に自分の限界を知るのは、成長のために必要な乙とである。
自分の限界を知ったら、まずは、そこまで突き進んでみること。
そこで、限界を打ち破ることができれば、次のステップへ進めばいいのだ。
このくり返しのなかで、人間は大きく成長していくのである。
「継続は力なり」の本当の意味このとき、一生懸命努力しているのに、なかなか結果が残せないこともあるだろう。
また、伸び悩みの時期もあるに違いない。
自分の非力さに気がつくこともあるだろう。
しかし、すぐに結果を求めてはいけない。
それが大きな目標であり課題であれば、なおさらのことだ。
継続すれば、必ずその努力は報われる。
継続は力なり、というが、それは「継続すること」に力を注ぐことなのだ。
継続する努力は決して無駄にはならない。
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